【八戸市】夏の涼、抹茶のきらめき━北村屋金藏で出会う”水金藏”と”おはぎ”のやさしい時間。
青森県八戸市青葉に佇む、創業1841年(天保12年)の老舗茶舗「北村屋金藏」。現在の場所に移転したのは1975年。以来、八戸の暮らしに寄り添い、香り豊かな銘茶と手作りの和菓子を提供し続けている名店です。
店舗は、ほっと落ち着く和の空間。訪れると、やさしい笑顔で迎えてくれる店主ご夫妻が、お菓子が焼き上がるまでのひとときにと、お茶をふるまってくださいます。こうした心配りがこの店の温もりを物語っており、世代を超えて愛されている理由がわかります。
店の看板商品は、まるで大判焼きのような「金藏焼」。粒あん、芋あん、チーズなど種類も豊富で、素材へのこだわりが光る逸品です。そして今回いただいたのが、「おはぎ」と夏季限定の「水金藏(みずきんぞう)」。どちらも丁寧に作られた手仕事の味が感じられる和菓子でした。
まず「おはぎ」は、もち米と粒あんの絶妙なバランスが特長。口に含むと、しっとりとしたもち米の自然な甘さと、小豆のふくよかな風味が広がります。
甘さは控えめで後味もすっきり。派手さはないけれど、心がすっと落ち着くような、まさに“家庭の味を洗練させた一品”です。
そして、「水金藏」は見た目にも涼やかな夏の風物詩。ぷるんとした宇治抹茶ゼリーに餡子が添えられた逸品で、冷たく喉ごしも爽やかです。
抹茶のほろ苦さと餡のやさしい甘さが見事に調和し、食べ終えたあとに夏の余韻を残してくれます。後味もスッキリしているので食後のデザートにも最適です。
濃いめに淹れた冷煎茶との相性も抜群で、暑さで疲れた体に染みわたるような、そんな癒しのスイーツです。どちらの商品にも共通するのは、奇をてらわず、けれど丁寧に仕上げられた正統派の美味しさがあります。
派手な広告やSNS映えを狙わずとも、長年にわたって信頼されてきたのは、こうした真摯に手づくりをしている姿勢にあります。
お茶と和菓子が好きな方はもちろん、少し気持ちを落ち着けたい日や、大切な人への手土産を探している方にも、ぜひおすすめしたい一軒です。きっと、記憶に残るひと皿になるはずです。
暑い夏の午後、北村屋金藏の昔ながらの味わいの甘味と涼やかな甘味で、ひととき心を和ませてみてはいかがでしょうか。
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